素直になりなよ、ドラゴンくん!


「ぬぅ、キャラメイク時に顔のパーツや身長だけでなく、胸のサイズまで選べる機能をつけおってからに」

不埒なと、おぶさる僧侶を作ったプレイヤーを軽蔑するドラゴン。それほどのサイズがありました。

「アグアグさん、どこに掴まればいいですか」

「肩にでも手を回せ。では、いくぞ」

飛び上がるドラゴン。浮上時に起こした竜巻で、スライムたちが全滅したのはさておき。

「きゃー、きゃー」

「うるさい!」

「ごめんなさいっ、で、でも、きゃーきゃー!」

肩どころか首にしがみつくレキ。そういえば、人を背に乗せたのは久々だとドラゴンは思う。

皆、この見た目で去っていくというのに、この僧侶はーー

「こわいこわいこわいこわいいぃ!」

「怯えすぎて、我が輩に従っているだけか……」

やっぱり自分は怖いのかと、しょんぼりドラゴンであった。