なんで…俊也の顔が??


それは俊也がアタシを見ているからだ…。



それも、うんと近くで…。



か…顔近い。。。


プイっとアタシが目を逸らすと、俊也はまたアタシの瞳を捕まえた。



な…
なに…?



すると俊也はアタシの頬に自分の冷えた大きな手の平を軽く乗せてきた。



冷えた手の平は、熱を保ったアタシの頬をじわじわと冷やしていく…



きもちぃぃ…。

俊也の手って、大きくて


アタシの手なんか、すっぽりとおさまっちゃって



温かくて

優しい手………。



今でも冷えちゃってるけど
温かさが伝わってくる


アタシが大好きな手




気付けばアタシの手の平は

俊也の手のこうと重なっていた




「ねぇ俊也?アタシ俊也の手、大好き……。」



「…………うん。」




すると俊也の手は、
アタシの頬から少し遠ざかっていった…。




とたんにアタシは、

自分で無意識のうちに

俊也の手をギュッと握っていた事に気がつくまで、


長い時間がかかっていた