Minecraft・・・

広大な世界と、様々な仕掛けによって成り立つ、不思議な世界。

その世界には、裏の顔があるようで・・・





「ご苦労なこったな」
その男は俺に向かってそう言った。
「えっ・・・?」
俺の頭はまだこの状況を理解できていないようだ。
目の前には、見たことのある木が生え、今俺がしりもちをついているこの土も、見覚えがあった。
「マイン・・・クラフト・・・!?」
そう。今見ている世界は、Minecraftそのものなのだ。
「その辺の事情はあとで話す。とりあえず立てるか?やることが山積みなんだ」
差し出された手を反射的に取る。俺が体を起こしたのを確認し、男は自分の頭上を指差した。
「ここに書いてあるから分かると思うが、俺の名前は〔MASAKI〕だ。よろしくな。」
ハッとして男の頭上を見ると、確かに〔MASAKI〕と書いてある。この辺はMinecraftと同じだ。
「〔Masato〕・・・です。」
「おう」
自己紹介をしたが、反応が薄い。箱の中をあさっているようだ。
「あの・・・」
「よし、あった。ほれ」
何かを渡される。よく見ると、それは《木の斧》だった。
「それは俺からのプレゼントだ。当分はここで暮らすことになるだろうからな。木の切り方は分かるよな?んじゃ、よろしく頼むぜ。」
「え!?ちょっと・・・暮らすってどういう・・・!?」
聞きたいことがありすぎる。そう思い、彼を呼び止めようとすると・・・

「来たぞ。新入り二人目だ」

空間が歪み、そこから少女が出てきた。
赤い眼鏡をかけ、髪の毛を後ろで結び、驚いた顔を見せる。
「女かよ・・・」
マサトにとっては、そんなことどうでもよかった。なぜなら、
「Wakaba・・・!?」


その姿に、見覚えがあったからだ。