お父さんの腕にもついていた。 「あたし…、お母さんとお父さんの方が大事で…。戻ってきちゃった…」 そういって、苦笑いした。 「あんな酷いことしたのに…」 お父さんは、絶句していた。 何年にも渡る、あたしの傷は癒えないけど。 あたしは生まれたときから、ずっとずっと大好きだった。 「お父さんもお母さんも大好きだよ―」 大好きだから、逃げては戻ってきていた。 あたしの瞳は、涙で見えなくなっていた。