「いやいやいや、歩み寄るって言い方おかしくね?! 何か変な人みてぇ」 っと、あんま声出さないほうがいいな…。 これじゃ本当に変な人だ。 「…」 自分がどれほど慌てていたかを、よく知れた。 そっと麻乃の髪に触れる。 地毛の茶色と赤茶の間の色。 目は、透き通った暗いブルー。 俺は麻乃を見て、泣きそうになった。