幼い頃から、こいつは純粋だった。 何一つ嘘はつかないし。 だけど強がりで、素直に言えないときはあった。 いつも俺の後ろをついてきて、ひよこみたいだった。 「…」 布団を麻乃は暑そうに、足で蹴っている。 俺は窓から見える、空を眺めた。 季節はもう夏。 麻乃に視線を向けた。 そして、少しずつ歩み寄る。