一番嫌いなアイツは彼女持ち






だけどあたしは泣かなかった。




これが裏切りの代償で起こっている人生だとすれば。




抗うことも、逃げることも許されない。




ただ、愛想よく笑えばいい―。





「何やあれ、怖いな…」




「あんまり近づかないほうがいいね」




そういう声ももう、無視する。





そして1人プールへと入る。




ばしゃんっと、水がはねた。