「俺はそんなの反対だ」 「どうして?? 瞬。嫌いなんだろ」 「あぁ、大嫌いだ」 平気で話す瞬にあたしは、むかついた。 ぐっと拳を握るのが、啓に伝わる。 「お前、俺から逃げる気か?? そいつと駆け落ちすることで、俺から逃げて美猪をおいてくのか? そんなの勝手すぎだと、思わないのかよ」 あたしは当たり前のことに、気づけていなかった。