「…あたしは誰にでも、ドキドキしちゃうんだよ…?」 涙がまた、滲んでくる。 手も足も微かに、震えている。 それに気づいた啓は、 「お前の家族の中で、恋愛を失敗した人がいるんだろ??」 そういって、頬を撫でてくれた。 渡り廊下の人通りは減り、朝の会が始まる。 「…恋愛なんて、一度きりじゃない」 そういって、瞳を細くして笑う啓。 「恋愛を沢山して、学ぶのが大事なんだよ」