「バーカ、許可なんていらねぇし。でもなアイツは奪えねぇよ。芽衣は何があってもオレの女だ」
アイツだけは譲らねぇし、手離したりしない。
何があっても守る。
「……うん、知ってるよ。けど、泣かしたりしたら…その時は容赦ねぇよ?」
「わりぃけどその約束は出来ねぇわ。ベッドの上では鳴かせるからよ」
零士は呆れたように笑うとオレの肩に手を置いた。
「…やっぱり、聖には敵わないな。でも覚えといて。芽衣ちゃんの笑顔が消えるようなことがあれば……本気で奪う」
去り際に言った零士はそのまま食堂を出て行った。
アイツの笑顔が消えるようなことするわけねぇし。
オレにはもう芽衣しかいない。
アイツのことは何が何でも守るって決めてんだよ。
多分、こんな気持ちになったのは芽衣が初めてだ。

