「あ、理沙〜!慶樹くん!」
芽衣は向こうに相川と慶樹を見つけたらしくオレの手を離し走って行った。
ってか、もう一個いい?
「神矢くん!零士くんも早くおいでよ!」
彼氏のオレが、苗字で
慶樹や零士が何で名前呼びなんだよ!
ありえねぇだろ。
オレの表情に気づいた零士はフッと笑った。
「聖が女の子に振り回されてるとこ初めて見たよ」
「ハッ、振り回されてなんかねぇし」
何で彼氏のオレが焦って、零士が余裕なんだよ。
一応、一応元カレだからって調子乗ってんなよ。
「俺、まだ完全に諦めてないから」
零士は真剣な目で見つめる。
「だと思った。好きにしろよ」
オレにとやかく言う理由なんてねぇし。
「あの時とは違う。真剣に奪いにいってもいいんだな?」
それでも揺るがない瞳に少し動揺した。

