「神矢くん!」
オレを見つけて手を降る芽衣。
けど、零士のそばから離れようとはしない。
何でそこ、そんなにくっついてんの。
見てられねぇし。
オレは芽衣の腕を掴んで強引に引き寄せた。
「コイツが世話になったみたいで?迷惑かけなかったか?」
ムカつく、ムカつくんだよ。
「いや、全く。でも……無意識ってのは結構厄介だな」
零士は下を向いて笑う。
芽衣を見ても、何も知りませんといった表情だった。
この鈍感ヤロウ!
「今日はね、科学教えてもらったんだ!化学反応式全然わからなかったんだけどわかるようになったの!」
そんな嬉しそうな顔して言うな、バカ。
つーか、“今日は”って何だよ。
他にもあんのかよ。
オレが知らなきゃいいと思ってんの。

