「ブッ、やっぱ色気ねぇな」
あたしの姿を見て、吹き出すように笑う神矢くん。
「でも、お前はそっちの方が似合ってるよ」
子供にむかって頭を撫でるようにして神矢くんはあたしの頭をポンポンとした。
そして、携帯を持ってリビングから出て行ってしまった。
また、あの女の人からの電話?
そう思うと、モヤモヤして仕方がなかった。
自信なんて一気に消え去ってしまうんだ。
ガキなあたしはくまさんパジャマでも着てろって?
似合うって何よ。
あたしだって振り向いてもらおうって必死なのに。
「……バカ」
気づいてよ。
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