は?、という顔をする神矢くん。
それと同時に我に返った。
あたしってば何してるの!
でも、ここまでくれば止められない。
「……もうちょっとだけ、」
自然と腕を掴む力が強くなる。
何も言わずにそばにいて……
少しの沈黙の後、神矢くんがあたしの手を引いた。
「お前さ、……」
神矢くんが何か言おうといたとき、
プルルルル────と着信を知らせる音が鳴った。
この音……
掴んだ手をそっと離すと、神矢くんは飽きれたように笑った。
「いつまでもそんなカッコしてんな。風引く…それに、どうなっても知らねぇぞバカ。これでも着てろ」
あたしの肩に薄ピンクのパジャマをかけた。
これ、お蔵入りのくまさんパジャマだ。

