「お、驚かさないでよ!」
いい加減、その格好やめてもらえませんかね?
目のやり場に困る……
「お前がそのまんま寝てるからだろ。ったく、世話のかかるヤツ」
神矢くんは脱衣所に戻るとTシャツに着替え、ドライヤーを持ってきた。
そして、ソファーに座らせるとわしゃわしゃとあたしの髪を乾かし始めた。
ドライヤーの暖かい風と神矢くんの指が髪に触れるたび気持ちよくてまた瞼が重くなる。
ドキドキと、高鳴る音はドライヤーの音によって掻き消された。
「ほら、乾いた」
「ありがと……」
何だかいつもより髪がサラサラの気がする……
「風邪引く前にさっさと寝ろよ」
そう言って立ち上がる神矢くんの腕を
あたしはなぜか掴んで引き止めた。

