その日の放課後、あたしは神矢くんのクラスがHRを終えるのを待っていた。
間も無くして教室から生徒がパラパラ出て行く。
「聖〜今日だけでいいからさ〜!ね?」
「一緒に行こうよ〜慶樹くんも〜」
目の当たりにした光景は女の子に囲まれた神矢くんで……
最近は女の子に囲まれたとこ見てなかったけど、ただクラスが違うだけでそんなことなかったんだ。
電話の相手もこの中にいるんじゃないかって思えてきてしまう。
こんな自分嫌だ。
……最低だ。
走って帰ろうとしたとき、大好きな人の声が聞こえた。
「わりぃけど、もうお前らと適当に遊んだりしねぇから。オレにはコイツいるんで」
そう、ドア後ろに隠れていたあたしの手を引いて……
神矢くんはあたしの頭に手をのせた。
「……本当に星野さんと……っ」
ショックを受けたのか女子たちは教室から出て行く。
どうやら、あたしと付き合っているというのはウソだと思っていたみたい。

