「……お前は、オレのこと、何とも思わねぇのかよ」 渉は切ない瞳をあたしに向ける。 な、何でそんな顔…… 「あの、渉…何言ってるのか全然わかんな…」 「あっそ……じゃあ、わかった」 渉はどこか決意を固めたような表情でそっとあたしの頬に手を置いた。 そして、あたしに顔を近づけたとき…… ────ガチャっとドアの開く音がして 香織ちゃんがドアから顔を覗かせた。