まるで魔法にかかったように、あたしはあなたのキスで泣き止むの。
そんなあたしを見て聖は切なげに笑う。
「怖いんだろうな、きっと。今日一日ひろきの親代わりして思った。オレみたいなやつが幸せな家庭なんて築けるのかって」
切なそうに目を細めて…
そんな顔、しないでよ…
「…そんなこと言わないで。今日の聖、すごくいいパパだったよ?見惚れちゃうぐらいに…」
ちゃんと、ぶつかった女の子には謝って、ちゃんと叱ってあげて…お弁当だって…
「そりゃ、奥さんが芽衣だからな」
いつものようにフッと笑った聖。
「思うんだよ。オレが子どもの頃にして欲しくて夢みてたこと全部、自分の子どもにはしてやりたいってな…笑うか?」
「笑うわけないじゃん…。じゃあ、じゃあ!あたしとずっと一緒にいよ!それで生まれてきた子どもはいーっぱい愛情注いで色んなところ連れて行ってたくさん楽しいことして……」
って、あたし何言ってんだ!?
逆プロポーズしてるみたいになってる!?
慌てるあたしを見て聖はフッと笑う。
ど、どうしよ!呆れられてる!?
「あ、あのね…これは」
「この先ずっと、何があってもオレについてこれる?」

