「ひろき、そろそろ行こう」
パパの声にひろきくんはしゃがんでいたあたしと聖を包むように手を大きく広げ抱きしめた。
そして、にこっと笑ってパパとママの元に走っていく。
去り際にひろきくんは最後振り返った。
「一日だったけど、パパとママになってくれてありがとう!」
ひろきくんは小さな手を最後の最後まであたしたにに向けて振っていたんだ。
あたしたちも最後まで笑顔で手を振り続けた。
「ったく、いつも髪乾かせって言ってんだろ」
ひろきくんたちとバイバイして二人でマンションに帰ってきた。
先にお風呂から上がってソファーてぐったりしているあたしを見て後に入って上がったてきた聖は顔をしかめる。
「寂しいんだろ、お前」
フッと笑った聖はあたしの隣に座る。
「そ、そりゃ…寂しいよ。聖も寂しいでしょ?」
さっきまでひろきくんが部屋中駆け回ってはしゃいでいたのに…
「……うるせぇのがいなくなって清々してる」
バカ……ウソつき。
さっきまでひろきくんと繋いでいた手が寂しそうだよ。
「……でも、いないといないでこんなに違うもんなんだな」
ひろきくんと繋いでいた手を見て聖は言う。

