しばらくしてイルカショーがスタート!
七夕イベントとあって普通のボールではなく星の形をしたボールを持ち上げたり
いきなり野外ステージの屋根が閉まり暗くなって頭上一面に星座が浮かんだりして
大きな歓声が上がる。
「では、ここでイルカさんと一緒にお星様にお願いしましょう!前に来てくれる子いるかな〜?」
イルカショーのお姉さんが大きな声をあげて言う。
「はい!はーい!おれお願いするー!!」
元気よく立ち上がったひろきくんはお姉さんに指名されステージに向かった。
「ひろきくん大丈夫かな…滑って水槽に落ちちゃったりしないかな…」
「芽衣じゃあるまいし、そりゃねぇよ」
フッと笑った聖はあたしの腰を抱き寄せる。
「ちょ、ちょっと!もう人前じゃ何もしないって…」
「何もしてねぇよ?ほら、ひろき見守ってやろうぜ」
聖はあたしの腰を抱いたまま離さずひろきくんに向かって手を挙げた。
ちょっ…腰に回った手が気になって……
緊張で固まっていた時、プルルルルと着信音が鳴った。

