「うん…パパ大好きだよ!」
恥ずかしいからおにぎりを見ながら言うと聖が驚いたような表情をしたのが隣から少し見えた。
「パパは?ママのこと大好き?」
ひろきくんの純粋な笑顔に聖はフッと頬を緩めた。
「ああ、大好きだよ。ママの全部な」
サラッとそんな言葉を言うもんだからあたしはきっと顔が真っ赤だろう。
"大好き"なんて……聖の口から初めて聞いたかもしれない。
どうしよ…嬉しくて、嬉しくて…泣いちゃいそうだよ……
「なんつー顔してんだ。ひろきに笑われんぞ」
聖はそっと手を伸ばしてあたしの頬を軽く摘む。
「だ、だってぇ〜嬉しいんだもん〜」
「泣いたり笑ったり、忙しいヤツだなお前は」
呆れたように言いながらも聖は優しくあたしの頭を撫でる。

