「へへっ、大好き」
ギュッと腕を回して、気づけばそんな声を漏らしていた。
何も返答がないことが気になって顔をあげると、神矢くんは怪訝そうな顔をしていた。
……え、ウソ?
怒ってらっしゃいます?
やばい!と思ったあたしも冗談だよ!と言おうとしたんだけど……
「…わっ!」
ギューッとあたしより何倍もキツく、でもどこか優しく神矢くんはあたしを抱きしめた。
あたしも負けないぐらいギュッと腕を回す。
互いが互いを求めるように……
この大好きがもっと伝わればいいのに。
もっともっと、あなたに伝えたいんだ。
名残惜しく離れた腕、そしてその手はあたしの髪をゆっくりと撫で神矢くんはフッと笑った。
「じゃ、キスしよっか。誓いの。」

