一人、ドキマギした気持ちでいるとひろきくんは暗い顔をしてポツリと呟いた。
「おれのパパとママはひじりとメイみたいに仲よくないんだ…」
先ほどの松野さんの顔が頭に過る。
最近、旦那さんと一緒にいるとこ見ないと思ってたけど……
「そ、そんなことないんじゃない?ほ、ほら!ママはパパのパーティーに参加するんだよ?仲良しだよね!」
「ううん、それはしごとだから。家でいつもおれ一人。おれ…いい子じゃないから一人なのかな…」
ひろきくん…
まだたったの5歳なのにお家に一人。
どれだけ辛いのか両親がずっとそばにいたあたしにはわかってあげられないのかもしれない。
でも、大切な人が傍にいない寂しさは分かるよ。
だって…聖がいなくなったら……
「おい、クソガキ。男がメソメソしてんじゃねぇよ!ほら、笑顔になれるとこ連れてってやる行くぞ」
聖はひろきくんの顔を上げさせそう言った。

