「……おい、そのガキは何だ」
「な、何だって言われましても……」
リビングに戻ったあたしを見て聖は怪訝そうに顔を歪める。
視線の先には……
「わあ!部屋ひろーい」
手を繋いでいた小さな男の子がいきなり走り出す。
男の子は持っていたおもちゃを掘り投げて興味津々に部屋を駆け回る。
「…何だこの茶番は!」
「あたしが聞きたいよっ!」
遡ること数分……
「……え?預かり……ですか?」
ドアを開けると松野さんだけではなく後ろにベッタリとくっついている小さな男の子がいた。
「無理なお願いだって分かってるの!明日の朝には迎えに来ます!芽衣ちゃん…どうかお願いします!」
今日は旦那さんの会社で盛大なパーティーが開かれるらしい。そのパーティーは地方で開かれ泊まりがけじゃないといけないみたいで…
実家にも頼んだらしいが生憎都合がつかず休日ということもあってか保育園も無理。

