「ちょ、や…神矢、くん」
どんどんと力が抜けて立っていられなくなると、神矢くんはあたしを支えるようにして抱きしめた。
「これでフラフラなんじゃ、この先もたねぇよ?」
クイッとあたしの顎をつかんで持ち上げる。
艶っぽい瞳に吸い込まれそうだ。
「芽衣が一緒にいたいって言うならそばにいてやるよ。」
ズルい、本当にズルい。
なんて言うかなんてわかってるのにあえてあたしに言わせるんだ。
あたしはギュッと神矢くんの服を掴んでその胸にうずくまる。
「……一緒に、いたい。だから……そばにいて?」
ようやくでた声は消え入りそうなほど小さかった。
「芽衣、こっち向いて」
その声に顔をあげると、あたしの頬を撫でた。
「同居と同棲ってどう違うか分かる?」

