「…俊太くん?」
急に心配になって顔を覗き込むようにして俊太くんの顔色を伺う。
すると、もっと頬を真っ赤にさせてあたしから一歩、二歩と後ずさりした。
「……す、すいません、オレ…ちょっと」
何やら小さくつぶやいた俊太くんは風のように走って消えてしまった。
「……熱でもあったのかな…顔赤かったし」
「……いや、どう考えても熱じゃないでしょ」
グラウンドに残されたあたしたちは俊太くんがいなくなった為練習を中止に。
これはぶっつけ本番だな……
久しぶりに理沙とカフェでおしゃべりをして帰ってきたときにはもう夕暮れで
どうしよ…この前帰るの遅くなって聖に怒られたんだよね。
連絡しろって、心配するだろって
電話をしても繋がらずメールだけ残す。
マンションについて部屋に入ると中は真っ暗でまだ帰ってきていないんだと悟った。

