あたしを抱き上げたまま、片手で寝室のドアを開ける聖に呆然としていると部屋の鍵が閉まる音がした。



「……へっ?」



「ブッ、何マヌケな声出してんの。さっきは色っぽかったのにな?」



なんて、イジワルに笑ってあたしをベッドの上に降ろした。



「え…っと……どうしてここに?」



「は?寝るんだろ」



「……え?ね、寝るって…」



え…待ってよ!?心の準備ってのが…!



「そーいや、あれからお前の願いに応えてやってねぇなと思って。感謝しろよ?」



ベッドが軋む音がした。




「……夜はこれから、だろ?」




遠くから少しだけシャワーの音が聞こえた。