「ちょっ、渉!離して!」
あたしはそのまま廊下に連れ出された。
「ほら、校内案内してくれんだろ?」
ふふん、と楽しそうに笑う渉。
本当、何なのコイツ!
仕方なく校内を案内…
というか渉に振り回されることに…
でもまさかまた渉と同じ学校に通うなんてな…
「おっ、屋上開いてんじゃん。いこーぜ!」
「ちょ!ちょっと待ってよ!!」
あたしは渉の後を追いかけた。
本当、調子いいんだから。
昔っから好き勝手し放題。
あたしのことなんて…見てくれたことなかったよね。
あたしが知らない3年間…
どんな風に過ごしていたの?
屋上のドアを開けると清々しいほど綺麗な青空が広がっていた。
渉は仰向けになって身体を大の字に広げる。

