「あ……忘れてた」
お父さんを見送り部屋に戻りリビングのドアを開けたとき、一瞬で現実に戻されたような感じがした。
聖と渉をそのまま放置してきたんだった!
な、なんか気まずい……
「……あの〜えっと…」
この状況どうしたらいいの…?
ドアの前で立ち尽くしていると、渉はソファーに寝そべって口を開いた。
「まあ、お二人の邪魔はしねぇからさ!とりあえずここに住んでいー?つーかそうするから」
さも、自分の家のようにくつろぎならがら言う渉。
ちょっとは気を使え!
全く……何も変わってないじゃん。
お父さんからも言われたし、しょうがないか……少しの間…みたいだし?
あたしは聖に少しの間だけいい?
と聞こうと近づいたとき
「じゃあ、オレ元の部屋戻るわ」
そう言ったんだ。

