「じゃ、後ろお邪魔しまーす」
そう言って神矢くんは強引にあたしの真後ろに入ってきた。
チャプン──と湯船のお湯が揺れる。
そしてあたしの胸もドキドキと早く脈を打つ。
「何をそんな縮こまってんだ。リラックスしよろ」
んなっ、何がリラックスしろよ、だ!
これのどこがリラックス出来るんだよおお!
あたしの身体はもう、緊張で固く縮こまっていた。
「なぁ、こっち向いて?」
「む、無理だよ…!動けない」
振り向いたらもっと緊張してしまう。
さっきから真っ白に染まったお湯を眺めてる。
ああ、もうのぼせそう……
あたしとは違って神矢くんはフッと楽しそうに笑った。
「つーことは、今は何も抵抗できねぇってことだよな?」
その言葉に首を傾げ、え?と聞き返す前に神矢くんはあたしのお腹に手を回し抱き寄せてきた。
「……っ!?」
「おー、あったけぇな」
な、なな…何をっ!
「もう無理限界…」
「そんなこと言って、オレが離すと思ってんの?」
ああ、ダメだ…
このままじゃ神矢くんのペースに飲み込まれてしまう。
何とかしなくちゃ…!

