わ、我ながら行動が早い。
暫くして神矢くんがバスルームに入ってきた。
「お前、早すぎ。そんなに見られたくねぇの。バスタオルで登場したヤツが?」
「…っ、それは……っ!」
あのときはもう他に見えなかったと言いますか…
本当に必死で……
……って、あのときバスタオル一枚で寝ちゃってたよね!?
も、もしかして既に全部見られてる!?
湯船に浸かっているのにワナワナと震えてきた身体。
近づいてきた神矢くんは湯船に入ろうとする。
「ちょ!ちょっと待って!!」
「は?待たねぇし」
「何で腰、タオル巻いてるの!?」
「……は?タオル?」
ぬおおおお!
慌てすぎて忘れていた。
隠すようのタオル持ってきてない。
「……た、タオル…忘れた。と、取ってきて?」
「何?フェアじゃねぇって?じゃあタオル外してやるよ」
「いやああ!フェアですっ!」
ダメだ……神矢くんには敵わない。

