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上を見上げれば
青い空、白い雲


でも清々しい色ではなく
ペンキで塗ったみたいな
そんな色


右を見れば
色んな店、色んな看板


すごく綺麗な作りだけど
ミニチュアのおもちゃみたいな
そんな感じ


左を見れば
大きな建物や家
木や緑、そして花


童話の世界から持ってきたみたいな建物はなんか偽物みたい


下を見れば
レンガ模様のコンクリート

どこまででも続いてる正方形の模様はやけに目が疲れる


俺は…………戻って来た

戻って来たんだ………


右手が熱い

もう居ないのにまだ感触が残っていた


みのるの最後の言葉……………

俺は右手の違和感にすぐ気付いた

な、なんだ…………?

恐る恐る手を開けると手の中に一枚の紙が………


正方形に折り畳まれた白い紙

“生きてれば悩んだり立ち止まったりする時もある、そんな時はこれを見ろ”


これって…………………
………………

俺はみのるから貰った紙をポケットにしまった


みのる……お前はもう居ないけどなんでかな?

まだ近くに居るような気がする


“俺は心の住人”

そう言っていた通りここに……
俺の心に居る気がするんだよ


この紙は大事に持っておくよ

でもいつか…………

くじけそうになったら見るからさ

その時はまた俺に勇気をくれよな