「それにしても、寒いな」 小刻みに足踏みしながら言う高瀬。 その首元には黒とグレーのマフラーがまかさっていてあたたかそう。 けど、対照的に手元は素手のままで、実に寒そうだ。 「そういえば、何で今日は手ぶくろしてないの。黒いやつ。」 「んー、片方がさ、どっか家出しちゃって」 つまりは無くしたわけか。