「 さあ 、行こうか 妃奈子ちゃん 」

 きらきら王子様スマイルな命都くんを
 引き連れて玄関をでる 。

 美弦ちゃんは置いてけぼり 。
 遅いのがわるい!

 夏のからりとした熱気で火照る身体を ぱたぱたと扇ぎながら最寄り駅まで歩く 。

 少し歩けば住宅街を抜けて 、
 昔ながらの商店街が先に見えてくる


 商店街に入る手前には古い祠が
 あって登校中の小学生達が足を止め
 手を合わせている 。


 「 わたしもあれやってたな〜 」

 みんなが手を合わせるもんだから 、
 わたしも意味も分からず
 やってたもんだよ 。うんうん 。


 ひとり思い出に浸っていれば
 くすくすと命都くんが笑った 。


 「 •• なあに? 」

 「 あの頃の妃奈子ちゃんは
   可愛かったなあって 、」


 •• 出たぞ腹黒!!!!!