このかに見事に置いていかれた
 わたしは見事にHRに遅刻しました 。


 「 だって妃奈子がトロいから 。 」

 「 だけど少しは待ってくれても
   良かったんじゃないかなあ ••
!!」


 担任から名簿でチョップを
 くらってわたしは拗ねているぞ


 わたし達は廊下側の一番後ろ 、
 隣の席で声を潜めて話している 。

 声を潜めているのは今が
 授業中だからです 。

 頬杖をつき空いた手でくるくると
 器用にシャーペンを回すこのかは
 悪びれた素振りもなく飄々としている 。

 •• そうだ 。このかはこういう子だよ 。

 別にわたしもたいして気にしてないけどね 。


 「 今日はお昼どこで食べる? 」


 板書をする教科担任の背中を
 眺めながら 、すぐ側のこのかに
 話し掛ける 。
 このかは「 屋上 」とだけ答えたら
 机に突っ伏してしまった 。寝る気だな 。

 この先生の授業は確かに眠くなる 。
 現にこの授業のノートはめちゃくちゃ 。

 早速隣から寝息が聞こえてきたので
 わたしは板書に集中することにした 。



 ( 今日の晩ごはんなにかなあ •• )