そこには、上半身を起こした夏輝さんが、窓の外を遠く見つめていた。 「夏輝?」 春子さんがもう一度呼ぶと、ようやくあたしたちに気づいた。 「母さん…。……?だれ?」 夏輝さんの声。 ユウくんとは全然違う… 低めで優しげな心地いい声。 だけど…