橙磨は小学6年の時に右膝を骨折して入院してから、膝を悪くしてる。


部室から救急箱を取って来て、テーピングを出す。


あの本で勉強した通りに頑張れよ~あたし。


右膝にしゅるっとテーピングをくるくる巻いてく。



………あれ、めちゃくちゃ難しい。


「ははっ!下手くそ~!貸せ」

「出来るもん!せっかく覚えたのに……」

「拗ねんなって!ありがとな」


ひょいっと取られたテーピング。


やっぱり橙磨の方が慣れてる………。


マネージャーとして手伝えないのが悔しい。



「……膝大丈夫なの?」

「多分、寒いから前に骨折したとこ痛むんだと思う」

「ほんとに?」

「大丈夫だって!心配すんな」

「心配するよ!橙磨いつも我慢するじゃん」

「男が痛がってたらカッコわりぃもん」


あたしにテーピングを渡して、すぐに1年生を集合させた。


人前が苦手なあたしが話しやすい環境作ってくれるのも橙磨の優しさ。