「これにしよーっと!」
よしっ、正解!
結香が手に取ったのはイチゴとバニラが混ざったアイス。
もう一回アイスの冷蔵の中に手を入れて取ったのは、ソーダのアイス。
笑顔で俺に渡した。
「橙磨はこれでしょ?ちっちゃい頃からだもんね~」
「悔しいけど正解!じゃ、お前のアイス貸して?」
「や、いいよ!今日ぐらいあたしに払わせて!毎回は悪いし!」
「男に恥かかせる気?大人しくアイスを俺に渡しなさい!」
「はーい……。ってか、ここコンビニだよ~?」
コンビニで、客が俺らだけで店員が二人だけでも俺にカッコ付けさせて。
それに、俺は結香があの笑顔で嬉しそうにアイス食べてる姿見れたら満足だから!
「ありがとう橙磨!いただきまーすっ!」
「はい、どーぞ。……あ、ヤベ。自由時間過ぎてる」
「うええっ!?どうしよう!!」
「ははっ!すげー声!いいよ。ゆっくり食えって。俺がうまーく龍太さんに話すから」
頭を撫でてやると、照れくさそうに笑ってアイスを頬張った。
あー………いつの間に可愛くなったのさ?
幼なじみに対してこんな感情持ったの初めてだわ。
「帰りも二人乗りする?」
「する。お前はまた後ろで奇声上げとけ!」
「ひどっ!ほんとに怖いんだから!」
二人でアイスを食べて過ごす至福の時間終了もあと少し。
帰って龍太さんに怒られるのも確定。
ま、結香のためならいいや。