そうするつもりだった。
あたしは帰宅部がいいから、高校でも部活見学なんてしないで帰るつもりだったのに……
放課後、教室の前にいたのは橙磨で。
「今日部活見学じゃん」
「そうだね」
「どっか見学行くの?つーか、やりたい部活とかある?」
「特にないけど……」
「ならさ!男バスのマネージャーやんね?」
はい?
いきなり、教室の前で待ち伏せされて部活の勧誘ですか!?
マネージャーとか人の面倒見るだけでしょ!
「絶対にやらない!まず、なんであたしなのよ。他にもクラスの女の子とかいるのに!」
「なんでって……近くにいてほしいから」
「は、はぁ?」
「結香には近くにいてほしいから」
ドキドキと心臓がうるさくなる……
全身が一気に熱くなるし。
ヤバイ……なんだこれ。
「いい…やんない。他をあたって」
「待って!ただでやれって言わない。条件付ける!」
「条件?」
橙磨はしばらく考えてから言った。
「今日の練習で俺がシュート入れて勝ったらマネやって。どーだ!」