あれだけテンション高かったのに、ちょっと困った顔をする。


なんで?


「マネの仕事してる時に見付けたの。でも……1台しかないじゃん…」

「お前は俺の後ろ」

「は?」

「だから、結香は俺の後ろに乗ってればいーの!」

「ええっ!!ちょ、嘘でしょ!?マジで言ってる!?」

「はーやーく!自由時間なくなるっつーの」


一人でチョロチョロ焦って乗ろうとしない。


どーせ、体重重たいから~とか気にしてるんだろ?


そんなのイチイチ気にする仲じゃねぇのに。


「大丈夫。小学校ん時にふざけて結香のことおんぶしたら軽かったから!」

「あ、あれは昔の話でしょ!今は重たいから申し訳ない……」

「幼なじみそんな遠慮する関係じゃねぇよ。いつもの図々しさはどこ!」

「うぅ~………わ、分かったわよ!乗る!」



俺の後ろに乗った結香は、遠慮がちに肩に手を乗せて掴まった。


腹に手を回さないのは、幼なじみでもそこにビミョーな関係があるから…か。