練習に戻ると案の定、みんな普通に練習しててこっそりグループに戻った。


いや、でも………


龍太さんがいない…?


近くにいたヤツに声を掛けた。


「なぁ、龍太さんは?」

「あぁ、あれ見てみろよ~。静乃さんにベッタリだ」

「マジか~いつから?」

「ついさっきだよ。絶対に龍太さんは静乃さんのこと好きだと思う!」

「俺も俺も!」


どっからどう見たって、好きなの丸分かり。


感情むき出しだもんな。



「……とっ…と、橙磨……」

「うわっ!びっくりした!日向か!」


珍しく暗い顔で俺の肩を叩いた。


めちゃくちゃ凹んでるな、コイツ。


「俺もうダメかもしれない……」

「なんで?」

「おっ、お、俺の静乃さんが……龍太さんと……」

「そうゆうことだ!諦めろ!」

「俺の静乃さんがぁ~!!!もう、練習なんてしない!橙磨……俺を追っかけないでくれ…」


いや、元から追いかけるつもりないけど。


「うわぁーん!!」とデカイ声出して体育館を抜け出してしまった。


あとで龍太さんや主将に怒られませんよーに!