ほんとに龍太さんは良い先輩で好きだけど、悪趣味だ。
俺が何気なく結香と話してるだけで、チラッと見て微笑。
俺、結香のこと好きじゃないからね!?
………まず、彼女いるし。
もしも俺が結香のこと好きだったら浮気だもん。
それに、そんな龍太さんこそ────
「霧谷~!あとで俺とコンビニ行かね?」
「行かない。忙しい」
「いいじゃんか!ちょっとぐらい付き合えよー」
「無理。他を当たって」
静乃さんにガンガン絡んでんじゃん。
俺的には龍太さんこそ、静乃さんのこと好きだと思う。
早くくっつけばいいのに!
一人で黙々とシュート練してたら、自然と結香が目に入った。
重たそうにドリンクの箱を抱えて歩いてる。
咄嗟に俺はボールを投げて、結香から箱を奪っていた。
「え、あっ……橙磨は練習しなきゃ!」
「ふらふらしてて危なかったから!どこまで運べばいい?」
「そこの水道まで!」
「りょーかい!」
「ありがと……優しいね、橙磨!」
ニコッと笑った結香から顔を逸らした。
ヤバイ………可愛い……。

