ペタッとシートをした額に触れると、ゆっくりと開いた目。
「……橙磨…おかえり…」
「ただいま。アイス買って来たから食え!」
「うん。……あー!あたしの好きなアイス!よく分かったね!」
「まぁな♪俺の勘の鋭さすごいから」
つーか、結香ってこのアイスしか食べないからな。
分かりやすい。
まだ具合悪そうだけど、とびきりの笑顔でアイスを頬張る姿が可愛い。
幼なじみの特権。
「おいしい…!ありがとう!」
「俺が風邪引いた時には、よろしくー」
「見返りを求めるな!見返りを!」
なんだろ………
お前見てると心臓うるさい。
その火照った顔とか見てたら、色々とヤバくて我慢出来なくなる…。
俺……彼女いるのにな~……。
「な、何よ……人の顔ジロジロ見て……」
「ん?いや、うまそーに食べるなって」
「食べる?一口」
「いらない。結香のために買って来たから」
ふわっと笑いまたアイスを頬張った。
結香ってさ……天然なの!?
無自覚ほんと困る……。