あたしがバスケ雑誌を呼んでると、コトッと可愛いピンクのマグカップが置かれた。
ウサギの柄が付いてて、すっごく可愛い!
けど……こんな可愛らしいカップが一人暮らしの男の部屋にあるの?
あたし初めて部屋来たのに…?
「あー!今、絶対に疑ったな!浮気とかするわけねぇじゃん!」
「自分から言い出すとこも怪しい……」
「マジだって。俺、結香一筋だもん」
「正直に言った方があたし怒らないよ。白状しなさい!」
雑誌を丸めて頭を一発叩いてやった。
それなのに、顔を赤くして照れくさそうに話す。
「結香専用に買って来た。いつウチに来てもいいようにね?恥ずかしかったな〜」
普通に嬉しいんだけど!
こっちまで恥ずかしくなるってば…。
そんなあたしの様子を見ながら、橙磨が意地悪っぽく笑った。
「だから許してなっ?」
「う、うん……ごめん」
「いいよ。ちゅーでチャラにしてやる」
ちゅっと触れるだけのキス。
一度唇が離れると、今度は噛み付くようなキスをした。
久しぶりのキスは、あたしの心をも溶かした。