【結香side】



苦しい思いもしたし、何より幼なじみの橙磨との関係でツライ時もあった。


でも今のあたし達は誰も入れる隙なんて、ないんだから!


やっぱり高校は楽しかった〜!



「いつまで泣いてんだよ、泣き虫〜」

「うっさい橙磨!悲しくないの!?」

「悲しいけど〜……結香の泣きっぷり見てたら、涙も引っ込むわ!」

「ひどっ!」


口ではそう言いながらも、背中を撫でてくれる手は優しくて……。


彼氏がこの人で良かったって心から思う。



そして、あたしはいつも橙磨が隣にいてくれたことが嬉しかった。


今もいてくれてるけどね。


ありがとうじゃ足りない。



「あ!結香!ちょっと、日向んとこ行って来るな」

「うん!分かった!」


日向くんのところへ走ってく橙磨。


男子の中心に入って、みんなで写真撮ってる。


女の子だけじゃなくて、男の子からも好かれるんだもん。


どんだけモテるのよ〜!



遠巻きから橙磨を眺めてると、いきなり背中に重みが。


「ゆーいーかー!」

「千秋!!」