それから2ヶ月後。


結香に叩き込まれた面接の文章のおかげで、なんとか合格。


これで春から俺も大学生。


全く実感湧かないけど。


結香も女子大に合格して、張り詰めてた雰囲気からやっと解放された。



放課後、少し肌寒くなってきた夕方の道を歩く。


「橙磨の大学って家から遠い?」

「わりと遠いな。4月から一人暮らし始める予定!」

「家出ちゃうんだ…」

「ん。交通費バカみたいにかけるぐらいなら、一人暮らしした方が安いし」

「なかなか会えなくなっちゃうねっ」


それも…そうだな。


大学に近い家に住めば、必然的に実家住みの結香と会えなくなる。


いっそのこと同棲しちゃいたい。


「一緒に住んじゃう?」

「え、いいの!?」

「ダーメ!結香の女子大と俺の大学真逆じゃん」

「…うん。でも橙磨と住むならいっかなって思う」


真顔で可愛いこと言ってくれるな。


嬉しいけど、結香が大変な思いするから同棲はまだダメ。


「大学卒業したら住も!」

「橙磨4年間も通うんだよ?あたし2年だもん!」


その2年はしょうがないだろ……。


俺のこと大好きなんだ。


…なんて自惚れる。