普通のヤツなら彼女が遊びに来たら、こんな反応しないはず。


きっと嬉しくなるのが普通だろ?


今は愛理よりもっと会いたいヤツがいる。


「ねぇねぇ、橙磨~♪部活オフの日ないのー?愛理、橙磨とデートしたい!」

「今月はないわ。7月入るまで待っとけな」

「え~………。そうだ!愛理とバスケどっち好き!?」


期待の眼差しを向けられる。


これで“バスケ”って答えて、何回彼女に怒られたか……。


本心を隠しつつ笑顔で答えた。


「愛理に決まってんじゃん!」

「ヤバーイ!嬉しいー!じゃあ、今日一緒に帰ってくれる?」

「部活だから無理」

「冷たいな~。愛理待つよ?」

「いや……先帰ってて」


あ、完全に不機嫌になった。


だから女の子ってめんどくさい。


俺も顔に出たのか、愛理は態度悪く教室を出て行った。


はぁ~………もうしーらない。



「愛理ちゃんって可愛いけど、ちょいめんどいな」

「日向もそう思うだろ。……別れたい」


苦笑する日向の隣で、俺は悩みとイライラで感情がぐちゃぐちゃ。