きっと日向だって華奈ちゃんと離れるのは寂しいはず。


けど、自分の勉強のためだもんな。



「華奈のこと頼むな。アイツ泣き虫だからさ〜!」

「任せとけ。華奈ちゃんが泣いたら、すぐ日向に電話させっから!」

「時差!時差は考えてくれよ!」


現実問題、今の俺には時差なんて分かんない。


日本とアメリカは遠過ぎるってことが分かるぐらいで。


とりあえず、部活に来てても不機嫌そうな華奈ちゃんを日向にどうにかしてもらいたい。


「華奈ちゃんの機嫌直して来れば?」

「やっぱ、こうゆうとこ後輩だよな。アメリカで金髪年上美女と遊んで来よっかなぁ♪」

「あ、それ華奈ちゃんに言ってやる」

「すいません。全く持って嘘です」



こんな話をしてても、日向が留学するって実感湧かない。


ずっと一緒にい過ぎだせいかな。


男友達と言えば日向だし、常に隣にいたのももちろん日向。


9月から俺の隣からいなくなるなんて想像もつかねぇわ……。



「頑張って来いよ。お土産よろしく」

「覚えてれば買って来てやる!」