俺の部屋で大人しくジュースを飲む結香。
コップにぶつかる氷の音だけが響く。
「…あのさ、結香」
「橙磨……」
「ん?…どうした?」
俺の背中にぎゅっと抱きついた。
腹に回った腕が温かい。
「もうヤダ……。橙磨とケンカしたら喋ってくれない…」
「ごめん……。俺が頭ごなしに一人で怒って、結香の気持ち何も考えてやらなかった」
「うん…」
「あと、俺は結香の彼氏じゃん?それに気使う仲じゃないからさ。頼ってよ、もっと」
「そうする……」
頼りないのは嫌なんだ。
振り向くと、泣きそうな顔して俺の背中に頬を当ててる。
結香の泣き顔俺もツライ……。
「ごめん…ほんと。ごめんな…」
「謝らなくて良いから……。あたし泣くよ?」
「良いよ。俺の前なら」
頼ってよ、俺のこと。
正面から結香を抱きしめてやると、俺の胸の中で涙を流した。
だから嫌なんだ、ケンカって。

