【橙磨side】
なんで、俺あんなに大人気ないバカみたいな言い方したんだろ……。
結香のこと悲しませたに決まってる。
一方的に俺の感情を押し付けた。
最悪だ………。
俺の手には結香に返されたネックレスだけが、虚しく残る。
謝りたいけど、今更って気もあるし。
なんで結香より京花を信じたかな〜……。
自分にイライラ。
結香と悠矢のことを聞かされたのは京花から。
部活に行こうとしてたところを京花に捕まえられて、半ば強引に屋上まで連れて行かれた。
「良い情報あげる♪」
「良い情報?そんなのいらないから、関わんないでほしいわ…」
「聞かなきゃ損だって!大切な彼女チャンの情報よ〜?」
「結香になんかしたのか?」
「怒んないでよっ!あのね…」
俺の耳元で囁かれた言葉は、かなり受け入れ難かった。
「可愛い後輩と抱き合ってたよ〜。1年生のイケメンで有名な悠矢くん、だっけ?ふふっ♪」
「嘘つくなよ……」
「ほんとよ〜!写真見る?」
向けられたスマホには、確かに悠矢に抱きしめられてる結香の姿。
え、これ……マジで?
その瞬間、もうどうでも良くなった。
悠矢んとこ行きたいなら、勝手にどこでも行っちまえ。

